よもやまばなし

どうでもいいこと綴ります

入院児や病児を取り巻く環境に思うこと(2)

前回の続きです(前回記事はこちら)。

 

8歳でITPと診断を受け、3~4か月の入院となった私ですが、高校生の頃にも一時的に再燃して1週間入院しました。

 

 

ちなみに、私の娘も川崎病でこれまでに3回入院しています。(川崎病についても、罹患した方やご家族の参考に少しでもなればと思うので、追々書きます)

 

それぞれに思う事はありました。

 

 

まず自分の8歳の入院で辛かったのは、骨髄検査と絶食治療。

そして家に帰れず学校にも行けない寂しさ。

 

心臓の手術を翌日に控えて「いやだ!怖い!死にたくない!」と大泣きする友達を宥めるすべも知らず、ただ見つめるばかりで皆一様に押し黙っていた(子どもは影響を受けやすいので、自分も死ぬんじゃないかと動揺していたのかな)あの夜も、

昨日のことのように覚えています。

 

 

検査や先生のタイミングですべての予定が決まるので、「邪魔されずに集中して遊び込む」という子どもらしい時間も持てません。「今日はこの遊びがしたい!」という希望もなかなかかないません。

 

娘の入院中、娘も他のお子さんも、せっかく遊び出した矢先に採血やら検査で中断されて泣く場面も多々。もちろん、病院は遊ぶ場所でなく治療する場所なので、仕方ないんですけどね…

 

よって、次第に、環境適応力のある子どもたちは子どもらしい全能感や主体性を諦めて「従順な入院患者」になっていきます。子どもだって、大好きな親や優しい医療スタッフを困らせたくはないから。

 

 

それでも私は、入院中は検査の合間の隙を見ては同室の友達とも病棟の廊下で互いのベッドに腰掛けて遊び、子どもなりに新しい環境に適応して楽しく過ごしましたが、

退院後の自宅療養中に母からの禁止や制限の声掛けで、更にその「諦め」は加速しました。

 

 

さて高校生での1週間の入院は。

前回と同じ病院で勝手もある程度分かるし、入院児同士の楽しい記憶もあったので、入院と聞いてもそれほど残念には思わなかったのですが。。

 

高校生という多感な年齢への配慮や、プライベートを尊重する時代背景、当時のその病棟の雰囲気の影響もあったのでしょう。

 

私は大部屋の通路側のベッドに入りましたが、他のベッドの人は(同年代かなと思いましたが)みーんな1日中カーテン閉めっぱなし。。

カーテンを閉め切られると1日中薄暗く、時間感覚さえ狂います。

 

通路側なので窓からの空も見えず、廊下に見えるのは険しい顔で足早に歩く医療スタッフさんと、暗い顔でトボトボ歩く患者さんのみ。

検温や回診で来てくれる看護師さんも絶えず忙しそうで、談笑できそうな雰囲気ゼロ。

そして高校生だし1週間の入院なので、母ももう来ない(笑)。まだ携帯も持ってない。

 

とにかく、話し相手がいなくて孤独で孤独で。初日から発狂しそうでした(笑)。。

 

 

***

 

 

点滴や医療器具による物理的なもの以外にも、入院生活を送る子ども達の環境は制限制約だらけです。

 

そして退院しても自宅療養しなければならない場合、自宅に帰れる安心感はあるものの、制限制約は続きます。

 

このコロナ禍で、入院患者への面会制限は厳しくならざるを得ず、共有スペースや入院児のプレイルームの利用も禁止している病院が殆どでしょう。

 

少しでも、子どもらしく笑顔のある入院生活が送れるようにと祈るばかりです。

 

 

医療福祉分野を学んで来なかった素人の自分に出来ることなんて限られていますが、個人としてやりたいことは3つ。

 

一つは、ケアリングクラウンとして(映画のモデルとなったパッチアダムス氏をイメージして頂ければ分かりやすいかな?)小児病棟に訪問して入院中の子ども達の楽しい時間を一緒につくりたい。そのために今、養成研修に通わせて頂いています。

 

もう一つは、病棟保育士もしくはボランティアでも良いのでそのサポートをしたい。保育士資格は昨年取ったので、子育て等の頃合いを見ながら、一歩一歩進めていきたいです。

 

最後は、上記2つをやる上でも1番大切にしたいことですが、

その子の「できないこと」ではなく「できること」に目を向けて、

「環境」や「状況」ではなく「心境」や「存在」に心を向けて、

丁寧に対等に、付き合っていきたい。という姿勢。これは大人としても親としても対人支援者としても、大切にしたいことです。

 

 

…と、えらそーに長々と書きましたが😅

 

3回入院した娘は自分の入院経験を自負していて、「わたし、頑張ったよね!」と誇らしげにしている姿には頼もしい限り。

子どもの「消化して乗り越える力」を後押しできる大人で在りたい。子育ても、日々精進です。

 

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(写真は、積木で入院ごっこの図。子どもが先生役になることで、遊びを通して主体性や能動性を回復させるのだそうです)

 

 

次回は(2)の、「自尊心や自己肯定感、自己効力感が低いまま育った人」に何ができるか、について考えてみます。

 

では、また!